知らないとソンなこと ≫ 地下水融雪の弱点

井戸からの地下水を使った消融雪

地下水を使った融雪は、ランニングコストが安く、昔から馴染みの深い融雪方法です。 しかし、この方法も万能ではなく、いくつかの弱点もあります。

これらの弱点と、対策がある場合には、その対策について、以下にまとめます。



地下水源があるところに限定される

井戸消雪はどこでも利用できるわけではないです。 土地によっては、井戸を掘っても井戸水が十分に確保できないところもあります。

また井戸水が確保できる場合でも、深く井戸を掘らないと十分な水量が確保できない場合もあります。

数メートル程度で十分な井戸水が確保できる場合、工事費も安く非常に経済的に融雪が可能ですが、水源の深さや地下水位が深くなればなるほど、工事費用が大きくなっていきます。

融雪を希望する土地での地下水がどうなっているかは、情報をもった業者に確認することになります。

しかし地下水の状況は、たとえプロでも掘ってみないとわからない場合もあり、過去の情報に基づいて井戸を掘ったものの、消雪に十分な水が確保できないということもありえます。



条例による地下水消雪の制限

井戸水による散水消雪は、北海道を除く積雪地では、最も見慣れた消雪方法かもしれません。 それだけ、多くの実績があります。

しかし、その多くの実績の影響で、地下水位の低下や地盤沈下などの発生が問題視されるようになり、地域によっては条例などにより、地下水消雪を制限しているところも多いです。

たとえば青森市では指定された区域において、散水消雪を目的にする井戸が禁止されています。 そこまで、強い制限でなくても、井戸の深さや、ポンプの規模に制限を課している自治体も多いです。

自分の住む自治体で、地下水に関する制限がないかどうかは、当該自治体や、その地域で施工している業者に確認すると知ることができます。



散水の凍結

たとえ10~15度もある地下水とはいえ、寒い地上に汲み上げた後は熱を失っていきます。

地上に露出した管やホース内に残った水や、散水後の水溜りなどが、寒さの中、凍結してしまいます。

散水した水が凍結した場合、滑りやすく危険です。 また管内での凍結は消雪システムの故障やトラブルの原因になります。

そのため凍結を防止するため、低温時には降雪がなくても水を出したりします。

ちなみに東北以南ではよく見る散水による消雪ですが、北海道ではこの凍結が理由で、ごく一部を除いて散水の消雪は使われないです。



水枯れとその心配

「水が出なくなった」という場合、原因は「ポンプの問題」と「水源の問題」が考えられます。

「ポンプの問題」なら解決方法はポンプの修理です。 一方で、「水源の水枯れ」の場合は、井戸の掘り直しを要します。 深井戸を要す場合はボーリングです。そしてもし水源の深さが変わると、それに対応できるポンプに換えなければならなくなることもあります。(なお浅井戸で済む場合は掘り直しでも費用はかなり抑えられるでしょう。)

水枯れの大きな原因として、近隣での地下水取水による影響がよくいわれます。

近隣に井戸が増えると、もしかしたら、あなたの井戸の水量に影響が出るかもしれません。
逆にあなたが井戸を掘ったとき、その影響で水が出なくなったと、近所から苦情が聞こえてくるかも。


水質による影響(散水範囲が赤褐色などに変色)

地域や水源の深さによって水質は違います。 水道の変わりになるほどキレイな水の場合もあれば、散水した場所に赤褐色の跡が残るような水質の場合もあります。

水質がよければ、生活用水など用途も広がり、さらに便利です。 また、ポンプも水質がいいほど故障しにくく寿命が長くなる傾向があります。



水質による影響(ノズル・散水部分・管の詰り)

水質が悪い地下水の場合、散水部分の詰りをときどきとるなどのメンテナンスを要す場合もあります。

舗装下の配管に地下水を循環させて融雪する無散水融雪の場合では、経年の管内への付着と蓄積で、管内が狭くなったり詰まったりする場合もあります。 その結果、地下水の流れが滞り融雪効果が低下したり支障がでることもあります。

近頃は管内の洗浄技術により、舗装を剥がなくても管内の詰りを解消する方法もありますが、その場合でも、またしばらく経つと、詰り解消の洗浄が必要になります。

そのため、舗装下の配管に直接地下水を循環させるのではなく、熱交換器により地下水の熱だけを利用し、舗装下の配管には不凍液を循環させる融雪もあります。

融雪選びはどうすればいいの?

経済的で実績も多い地下水消雪も、万能ではないです。 そしてその弱点を補う方法は、一通りだけではないです。 地下水消雪といっても、業者によって方法や工夫、特徴が違うこともあります。

現場の条件などによっては、地下水以外の別のタイプの融雪のほうが適切な場合もあります。

とはいえ「融雪」について、どこに相談していいのかわからない方がほとんどだと思います。
融雪には種類があり、選ぶタイプによって得意な業者が違います。 地下水の消融雪だけを見ても、「浅井戸」「深井戸」「散水」「無散水」など種類があり、業者によって選べる方法が違うことも多いです。
融雪の業者選びの難しいところです。

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